バナナの皮:日常という名の短編集 (という名のトミモトリエの日記です)

2009
1107
Sat
12:17 PM

記憶

スミエ

おばあちゃんは、わたしの顔を見ると、パァーッという表情になった。 「冨本スミヱ」とシールの貼られたテーブルに座り、おやつの杏仁豆腐と牛乳が配られてくるのを待っている。

「おじいちゃんは元気?」と、おばあちゃんが言う。わたしは母と目を会わせる。

「おじいちゃんてセイイチさんのこと?」「うん、そう。」「おばあちゃん、何言ってるの?」 「おじいちゃんは元気にしてる?」 「おいちゃんは天国に行ったでしょ。」 「あら、いつの間にそんなことになったの?」

おばあちゃんは、ジャーニーズの嵐のメンバーの名前を全員覚えていて、わたしよりも芸能ニュースに詳しい。 政治もゴシップも近所の噂もわかっているみたいだけど、おじいちゃんが死んだことは、忘れてしまっている。